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相続の基礎知識28

1 今回からは,何回かにわたって遺言についてお話したいと思います。

    まず,遺言ですが,世間一般には「ゆいごん」と読まれますが,法律用語では「いごん」と読みます。さらに,余談ですが,同じく競売は「きょうばい」ではなく「けいばい」と読みます。
    話を戻しまして,今回から,遺言の話のうち,どのようなときに遺言書を作った方がよいかという点についてお話をしていこうと思います。

2 まずは,法定相続人がいない場合です。

    このように法定相続人なく死亡した場合,残された遺産(相続財産)は相続財産法人となり,その後,相続財産管理人により負債があれば弁済され,さらに特別縁故者からの請求があればその者への分与がなされた後に,最終的に残った遺産(相続財産)は国庫に帰属することになっております(民法951条~959条)。
    そうすると,自分の人生の最後の時期に世話をしてくれた人(あるいは施設等の法人など)に対して感謝の気持ちから自分の財産を譲り渡したいと思った場合でも,その人が特別縁故者として請求をし裁判所に認められない限り(いい人は得てしてそのような請求をしない場合があります。),自分の財産は国のものになってしまうのです。
    この場合,必ず財産を譲り渡したい人に財産が渡るようにしたいのであれば,遺言を作成することをお勧めします。

3 次に,法定相続人がいても他の者に遺産を渡したいときです。

    法定相続人がいる場合には,遺言がなければ,自分の遺産は法定相続人にしか相続されません。
    そうすると,例えば,妻が死亡した後,新しい女性と出会い実質的には夫婦同様にその女性と暮らしてきたが,子供たちの手前籍までは入れてなかった場合など,いかに内縁の妻に自分の財産を残したいと思っても,遺言がなければ法定相続人である子供たちにしか遺産は渡らないのです。
    この場合,内縁の妻に対して遺産を遺贈する旨の遺言をしておけば,確実に内妻にも自分の遺産を渡すことができます。
    ただし,法定相続人のうち一定の者については,遺言によっても奪うことができない遺留分という権利がありますので(民法1028条以下),遺留分権者が反対した場合,すべての遺産を法定相続人以外の者に渡すことはできません。

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