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相続基礎知識19

相続基礎知識19

 今回は、相続放棄の時期についてです。

問: 父親の生前に、父親の遺産につき相続を放棄するよう兄に言われ、父親の遺産の相続を放棄する旨の念書を作成しました。父親の遺産を相続することはできないのでしょうか。

答: 相続することはできます(相続放棄したことにはなりません)。

理由:
   相続放棄とは、法律上相続人と定められている者が、相続を希望しない場合にこれを放棄して相続人の地位から離脱することをいいます。相続を放棄した場合、その者はその相続に関して、初めから相続人にならなかったものとみなされます(民法939条)。
   
      相続放棄の手続は、相続人が、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に行う必要があります(民法915条)(「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、相続人が相続開始の原因たる事実(通常は被相続人の死亡)を知り、かつ、そのために自己が相続人となったことを知った時を指します。)。
      すなわち、相続放棄は相続が開始した(被相続人が死亡した)後に行う必要があり、被相続人の生前に行うことはできないのです。
      よって、設問のように父親の生前に相続放棄をする旨の念書を書いたとしても相続放棄をしたことにはなりません。
     
      なお、相続放棄は家庭裁判所に申述する必要があります(民法938条)ので、上記設問のように念書を作成しても相続放棄の手続きをとったことにはなりません。この意味でも、上記設問の行為は相続放棄をしたとは言えません。

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