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相続の基礎知識15

 遺産分割はどのような手続きで行われるのでしょうか。
 遺産分割手続きは、主に①裁判所を利用しない手続きと ②裁判所を利用する手続きに分けられます。

 1 裁判所を利用しない手続きについて
      裁判所を利用しない手続きは、相続人の協議で分割する協議分割になります(民法907条1項)。この協議を遺産分割協議と      いいます。
      遺産分割協議は、相続人全員の合意によるものですから、相続人全員の合意があれば一人にすべての遺産を集中させるなど、基本的にはどのような内容の分割でも構いません。
      また、遺産分割協議は相続人全員の合意のみで成立しますが、内容が不明確であったり、後日の争い等を防いだり、不動産の登記の際にも必要となりますので、一般的には遺産分割の内容を記載した遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名・押印(実印)をします。

 2 裁判所を利用する手続きについて
(1)裁判所のを利用する手続きは、調停分割および審判分割(民法907条2項)があります。
      調停分割は、相続人全員で遺産分割の内容について裁判所を介しての話し合いになります。ここでは裁判官1人と調停委員2人以上で構成される調停委員会が、各相続人から事情や意見を聞いたり、必要な資料の提出を促したりして、各相続人が納得した解決ができるよう助言や提案を行い、合意を目指して話し合いが進められます。
      もっとも、あくまで話し合いですから、相続人全員の合意がなければ調停は成立しません。
      審判分割は、裁判官が遺産分割の内容を審判という形で決定する手続きで、わかりやすくいうと裁判における判決のようなものです。
(2)遺産分割調停、遺産分割審判はともに家庭裁判所に対して申し立てをします。
      遺産分割調停の申し立てをしたがそれが不成立で終了した場合には、調停の申立て時に遺産分割の審判の申立があったものとみなされ、自動的に審判手続きが開始されます。
      また、遺産分割事件は、当事者間の協議による解決になじむという事件の性質上、家庭裁判所は遺産分割の審判が申し立てられた場合でもいつでも、これを職権で調停に付すことができ、実際には、ほとんどの場合、審判を開始する前に調停に付しています。
      この場合、調停が不成立となった際には、当初の審判手続きが再開されます。

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